夢を解くヨセフ

インドに到着して船着場のウッドデッキ?のような場所に腰を下ろした私がいる。何故か膝の上には実家で飼っている犬もいる。わたしは近くにいた現地の女(アジア系だがインド人ではない)にスリナガルまでの行き方を尋ねようとすると、まずは君のバックの中身を点検させてほしい、と言われた。薬物を持っていないかの検査らしい。僕は早速、インドのペースに乗せられそうな気配を感じたので、あえて強気に、もちろん、一向に構わないですよ。と言い、その言葉尻からまくし立てる様に、誰も頼んでいないのにインドへ来た経緯を上機嫌に私は話し始めた。女は少し怯んだ。異国ではちょっと変な日本人だと思わせれば勝ちだと思っている。実際、一人旅なのだから日本に住んでいる誰に何を思われるでもない。

荷物を一通り出しながら、ここへ来た事を家族の誰にもまだ言っていない事に思い当たる。(わたしが実家から連れてきた覚えは全くないのだが)犬が居なくなっていると母が慌てると困るので、直ぐに電話した。

夢は一旦ここで終わる。

 

しかし、さっきみたこの夢はよく考えると入れ子構造の夢だった。

インドにいたわたしは母と電話を繋いで事の経緯を報告している。母は随分驚いている。という一連のストーリーをわたしは第三者として夢で良かったと思いながら観察している。そして、その後に母は姉にその事を知らせる電話をやる。

僕とインドの水先案内人は姉だったので母がこの事を真っ先に姉に知らせるのは当たり前だった。しかし、母が電話を繋いだ先の姉の居場所が日本なのかインドなのか分からないという印象をわたしは夢の中で受けた。どうやら、インドに来てるみたいだから色々と便宜を図ってあげてね的な話をしていた気もするし、横浜の家で子育てをする主婦の姿で電話を受け、単純に僕の行動に驚いてはいるが、こっちにも慌ただしい生活があるのよと言わんばかりの少しよそよそしいリアクションに留まった、そんなやり取りだった様な気もする。

 

この夢日記をまたつけるようになってから毎日夢を見るし、見たことをちゃんと覚えて目を覚ますようになった。そして今しがた見た夢は入れ子構造で明晰夢に近いものだと感じた。