夢日記 ①

二つ見た。

最初の方は観念的で必要事項を述べるだけのような単調な(それでも夢の中のわたしはひどく狼狽えて)夢であった。

実家に戻っている私。自室から和室へと襖を開けると大きな蜂が飛んでいる。どうやら、私の存在には気づいておらずフラフラとゆっくり天井の少し下辺りを遊回している。私は、蜂が心底怖いので急いで戸を閉める。そして、ただ単純な恐怖と奴を見失ってはいけないのと駆除の手立てと同時に考えてあたふたする。兎に角、見失ってはいけないと襖を数センチほど開け蜂を見つめながらその他の急務について考えを巡らす。自室にはまず駆除に適したスプレー、それに類する物が一切なかった。弱った。自分がこれからあり合わせの鉾や盾で自分の上を悠々行く蜂を目がけて奮闘しようとして挙句背後を取られてチクリと首元を刺される所を想像した。頭の中で蜂の顔面の拡大図とあの機微な偵察を証するがごとく羽音が頭の中で鳴り始めた。途方にくれた。